いつも日本語でお仕事をしてくださっている皆さま、日本と世界をつなぐお仕事にこころから感謝しております。よく「この文で通じているか、失礼がないか毎回心配で自信がない。」という声を聞きます。そこで、日頃の感謝として、無料ミニレッスンをお届けいたします。

こんにちは。ビジネス日本語担当の山本真理子です。では、皆さんのオフィスで使う「ビジネスメール」のミニレッスンを始めましょう。

今日は2つのケースについてお話しします。

 【ケース１】

仕事のメールは読むのにとても時間がかかるが、返信するのはもっと時間がかかってしまう。本当のところ、返信したほうがよいのか、しなくてよいのかもわからない時がある。

これは、日本語で仕事をしている方達からよく受ける相談内容です。確かに長いメールは読むのに時間がかかりますね。そして、返事をするべきかどうかも迷う時も多いですね。日本人であっても、返事の内容を考えている間にとても時間がかかってしまって、何もできなくなってしまったり、そのうち別の仕事が入って、メールのことを忘れてしまうということがよくあります。

さて、何が問題でしょうか。まず一つ目として考えることは、返信をする必要があるかどうかですね。社内ではよく一斉メールといって、たくさんの人数に宛てて送るメールが来ますが、この内容が単に「お知らせ」なら返信しなくてもいいです。でも、それ以外はすべて返信が「必要」です。どんなメールでも受け取ったことがわかるように、「短い返信」をしてください。これは相手への気遣いです。ここがとても重要です。

今、「短い返信」と言いましたが、これは大変重要です。ビジネスメールは「内容は充分に」「簡潔に」が鉄則です。前者は、内容が不十分だったらメールする意味がありませんから、伝えるべきことは当然すべてカバーしてください。そして難しい点は「簡潔に」書くことです。ビジネスパーソンは皆さん忙しいので、読むのに時間がかかるメールは良くないです。この場合、読んでもらえないことさえあります。「短く分かりやすく」が重要となります。まずは「短くわかりやすい」メールをもらったら、モデルとしてよく読んでみてください。ヒントがたくさんあるはずです。これは練習をしてコツをつかめば慣れていきます。まずは今日届いたメールで返事を「短くわかりやすく」書く練習をしてみましょう。

【ケース２】

重要な内容だが、相手が忙しいと思ったのでメールをした。でも、あとから上司に、「こういうことはメールではだめだよ！」と言われてしまった。どうすればよかったのかわからない。

メールはとても便利ですが、いつでもどんな時でもメールでコミュニケーションすればいいというわけではありません。

重要なこと、緊急なこと、お礼やお詫びの気持ちを直接表すべき時など、メールは相応しくありません。ではどうしたらいいでしょうか。距離が近ければ直接対面で話します。それが難しいようでしたら電話で伝えてください。

メールで伝えると記録に残っていいですが、一方的にメッセージを送るという点でうまく伝わらないことがありますね。例えば、急いでいるとき、こちらからメールを送っても、相手がメールをチェックしてくれなかったら、送った意味がありません。また、心からお詫びをしたい時に、文字だけのメッセージでは日本人には気持ちが十分に伝わらないと思われます。

メールを書いた方がいいか、直接話した方がいいかをすぐに判断できるように毎回考えるようにしてみてください。今日から練習できますね。もらったメールを読んでから、まず「この件はメールの返信をする必要があるか？」と考えてみてください。何か伝えることがあったら、「メールがいいか、話した方がいいか？」と考えてみてください。これは日本人と仕事をするうえでとても大切なことです。そして、経験を通して学んでいってくださいね。

 【皆さんへのコメント】

ビジネスメールは上手に書くポイントをマスターすれば自信を持って書くことができます。ビジネス日本語講座では、日本人にとって大切な相手への「気遣い」として「失礼がなく簡潔な内容」のメールが書けるように学習を進めています。ポイントさえつかめば心配することはないので、是非それを身に付けて自信に変えていただきたいです。

以上、ミニ・レッスンはいかがでしたか。日本語でのお仕事がよりスムーズになることを心より願っております。

Arai Academy of Japanese Studies代表　新井峰子

ビジネス日本語専任講師　山本真理子

www.araiacademy.com