いつも日本語でお仕事をしてくださっている皆さま、日本と世界をつなぐお仕事にこころから感謝しております。よく「会社内で上司や同僚ともっとスムーズに会話したい。」という声を聞きます。そこで、日頃の感謝として、無料ミニレッスンをお届けいたします。

こんにちは。ビジネス日本語担当の山本真理子です。では、皆さんのオフィスで使う「社内コミュニケーション」のミニレッスンを始めましょう。

今日は2つのケースについてお話しします。

 【ケース1】

聞きたいことがあるので、先輩の席まで行って「ここがわからないんですが教えていただけますか」と言ったら、びっくりした顔をしていた。丁寧に言ったのに何が悪かったのか。

日本語には「前置き」という表現があります。「恐れ入りますが」「申し訳ないのですが」「お手数ですが」など、用件の前につけて話します。

どうして話をする前にこのような表現を入れるのか分かりますか? 日本では急に用件を切り出すのは失礼だと考えられているからです。相手が聞く準備ができるように、そのためのちょっとの時間を持ってもらえるように「前置き」を入れます。

例えば「申し訳ないのですが」と先に言いながら、相手の表情を伺います。そして、言われた相手は「あ、なにか私に悪いなと思うことをこれから言うのかな」と聞く準備ができます。

「実は」というのを知っていますね。それも、言われた相手は「自分が知らないことを何か打ち明けるのかな」と聞く準備をします。それと同じです。

もちろん、その後に話す用件に関係した「前置き」を選ぶことが大切です。例えば「お手数ですが、3時に私のオフィスに来てください」というのは間違った表現です。「お手数ですが」の意味が何か手作業をするということを考えればわかりますね。ですから、この場合、「ご面倒をおかけいたしますが」などを使った方が適切な前置きです。

【ケース2】

先輩が仕事の説明をしているのを聞いていた。内容もきちんと理解できたが、「ねぇ、聞いてる?」と言われた。ちゃんと聞いているのにどうしてそんなことを言うのだろうか。

日本人は話しているとき、相手から反応がないと、聞いていないと感じます。そうすると、話を終わらせようと思います。ですから、話を聞くときは、自分が聞いていることが相手にわかるように聞くようにしましょう。そのためにはどうしたらいいでしょうか。

「あなたの話をきちんと聞いていますよ」という合図は「あいづち」と言います。お互いに調子を合わせて、「あいづち」を打つことが大切です。

あいづちには色々ありますが、何を言っていいかわからないときはうなづくだけでもいいです。話している相手の顔を見て、あいづちをすれば、「聞いている」ことを伝えられます。聞いていることが相手に分かれば、話を続けてくれますし、有益な情報も聞き出せることがあるかも知れません。

 【皆さんへのコメント】

社内の日本人とコミュニケーションを取るというのは、そう簡単ではないですね。相手が言っていることを「理解している」だけではコミュニケーションにはなりませんね。

実際のレッスンでは、社内の同僚や上司、部下と話すときの場面を想定して、どのように返答したり、声をかければよいか確認して、口頭練習をたくさんします。自信がついて、明日から会社に行くのが楽しみになると思います。

以上、ミニ・レッスンはいかがでしたか。日本語でのお仕事がよりスムーズになることを心より願っております。

Arai Academy of Japanese Studies代表 新井峰子

ビジネス日本語専任講師 山本真理子

www.araiacademy.com

Free Culture Learning!

Join our mailing list to receive culture learning contents and the latest news from our team. Don't worry, your information will never be shared.

We won't send spam. Unsubscribe at any time.